強迫性障害 カウンセリング 大阪 |
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強迫性障害 相談強迫性障害
強迫性障害とは、不快な考えが頭に何度も浮かぶため、その不安を振り払う目的から同じ行動をくり返してしまう病気です。手を何度も洗わずにはいられないとか、戸締まりを何度も確認しなくては気がすまないなど、誰でもたまには経験する行動なのですが、それが習慣的かつ非常にエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者さんが自分の不快な考えについて「こだわりすぎだ」と判断できるにも関わらず、こだわらずにいられないことが特徴です。
原因
症状
家を出た後に、ふとカギをかけ忘れたかもしれないと気になり、確認をしに帰った。
夜寝る前に、ガスコンロのスイッチを切っていないかもしれないと気になり、布団から起きて見に行った。 このようなことは誰でも経験のあることだと思います。記憶とはあいまいなものですから、一度気になれば多少は不安なものです。とくに何か考え事などしていて無意識に確認した場合などは後から気になることもあります。戸締りや火の元など大きな危険につながるような問題であれば、一回は念のために確認に戻る人も多いでしょう。でも、もし確認したはずだけどはっきり思い出せないだけで、しかも急がないと遅刻するようなときであれば、「大丈夫、きちんと消したはず!」と自分の行動を信頼して先を急ぐことでしょう。そのとき、心配や不安は時間とともに自然に気にならなくなっていくものです。心配の内容が大きな危険につながらないようなものであれば、「まあ大丈夫だろう、もし忘れていたとしても大した問題ではない」と自分に言い聞かせるだけですませることが多いのではないでしょうか。 これに対して、強迫性障害の場合は、一度疑問が浮かぶと「大丈夫という感じ」が得られにくく、強い不安や不快感に苦しみます。このために確認せずにはいられなくなるのですが、大丈夫だという確信を求めて一生懸命に確認するほど疑いもわきやすくなり、確認をくり返す悪循環に陥ってしまうのです。 「強迫観念」と「強迫行為」 こだわりの考えを医学用語では「強迫観念」、こだわりに関する不安を振り払おうとしてくり返す行動を「強迫行為」といいます。強迫性障害は患者さんによってこだわる内容は様々に異なります。けれども、共通していることがあります。それは、患者さん自身が少なくともある時点で「心配しすぎだ」「無意味だ」「周りの人からみたら、ばかばかしいことを悩んでいると思われてしまうだろう」などと感じていることです。これを「不合理性の認識」といい、強迫性障害を診断するときの重要なポイントの一つになります。 また、こだわった考えや行動は患者さんにとって苦痛な体験で、「こだわりを止めたい」と本人も願っていること、その意志に反して駆り立てられるように「こだわらざるを得ない」のだということ、なども患者さんに共通している重要な特徴です。これは強迫観念と強迫行為の定義そのものでもあります。 つまり、本人の信念にもとづいて、自らすすんでこだわりや快楽から離れられずに“はまってしまう”状態は強迫症状とはいいません。 強迫観念や強迫行為は米国精神医学会によって下記のように定義されています。 <強迫観念> 反復的かつ持続的な思考・衝動・心像で,侵入的かつ不適切なものとして体験され,この障害の期間中に強い不安・苦痛を引き起こすことがある。 その思考・衝動・心像は,単に現実生活の問題についての過剰な心配ではない。 患者は,この思考・衝動・心像を無視・抑制したり,または何か他の思考・行為によって中和しようと試みる。 患者は,その強迫的な思考・衝動・心像が,思考吹入の場合のように外部から強制されたものではなく,自分自身の心の産物であると認識している。 <強迫行為> 反復的行動(例: 手を洗うこと,順番に並べること,点検をすること)または心の中の行為(例: 祈ること,数を数えること,声を出さずに言葉を繰り返すこと)であり,患者は強制観念に反応して,または厳密に適用しなくてはならない規則に従って,それを行うよう駆り立てられていると感じている。 その行動や心の中の行為は,苦痛を予防・緩和したり,または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかし,この行動や心の中の行為は,それによって中和したり予防したりしようとしたものとは現実的関連を持っていないし,また明らかに過剰である。 では、強迫症状(強迫観念や強迫行為)の代表的な例を挙げてみましょう。 ●汚染に対する恐怖 ●自分や他人を誤って傷つけてしまうことへの不安 ●物の存在、規則性、正しさへのこだわり ●保存へのこだわり ●不謹慎な考えに対する罪と罰への不安 強迫症状の内容は患者さんによってさまざまに異なります。 将来は、強迫性障害がいくつかのタイプに分類されるかもしれません。そして、原因や治療に関して全てのタイプに共通する点と、各タイプによって異なる点が明らかにされていくかもしれません。 決して珍しい病気ではない、強迫性障害。 強迫性障害という病名があまり耳慣れないせいか、とても特別な病気というイメージがあります。しかし、実際にはそれほど稀な病気ではなく、一般人口の1.3〜2%に認められるといわれています。人口の2%として計算すると、日本でも約250万人もの患者さんがいることになります。 また、強迫性障害の患者さんが治療を受けることでどれくらいよくなったかというデータもありますので、参考までに補足しておくと、適切な治療を受けた強迫性障害の患者さんのうち約1/4の人は著明に改善し、残りの1/2の人もある程度改善したと報告されています。 強迫性障害は治りにくいというイメージがあるようですが、適切な治療を継続すれば症状が改善される病気なのです。 治療
強迫性障害の治療において重要なことは、まず、この病気について正しく理解することです。強迫性障害による強迫観念や強迫行為は性格や性質だからしかたがない、というものではありません。適切な治療を早期に開始すればよくなることが多いと言われています。
また、強迫性障害は症状が多様であり見分けにくい疾患であるため、専門医を受診して正しい診断を受けることが大切です。 強迫性障害の治療は「薬物療法」と「認知行動療法」の2つを中心として行われます。 ■強迫性障害のくすり 強迫性障害の治療のためのくすりには、強迫性障害の原因の1つと考えられている脳内のセロトニン系の異常を調整する働きを持つものを使用します。 セロトニン系の異常を調整するくすりの中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内神経伝達物質のうちのセロトニン系だけに選択的に作用して、神経終末のセロトニンを正常に近い状態に調整します。 うつ病の治療では、SSRI以外にもさまざまな種類の抗うつ薬が使用されているのですが、強迫性障害では、SSRIが治療の中心となります。脳内の神経伝達物質にはセロトニン以外にもノルアドレナリンなどがあり、うつ病の場合はこれらを調整する働きを持つ抗うつ薬でも効果が認められることがあります。しかし、強迫性障害の場合は、ノルアドレナリンなどよりも、セロトニンを調整する働きが強いくすりの効果が大きいという報告が多いため、治療では主にSSRIが使用されます。 また、患者さんの症状によっては、抗不安薬や抗精神病薬を使用することもあります。 ☆くすりによる治療を受けるときのポイント☆ 治療を始めてもすぐに症状が改善されないことや、副作用を心配して自己判断でくすりをのむことをやめる患者さんがいます。 特に強迫性障害のくすりは効き目が現れるまでに時間がかかります。長い場合には、2カ月くらい同じくすりをのみ続けて効果が現れることもあるため、自己判断で「このくすりは効かない」と止めてはいけません。このようなことは、症状を悪化させたり、治療を長引かせる原因にもなります。副作用を認めた場合にも、自己判断せずに、すぐに医師に相談しましましょう。強迫性障害は、焦らずゆっくり取り組めばよくなることが多いと言われています。 医師の指示通りに、ゆとりを持って治療に取り組むことが大切です。 |
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